フルーツは甘くて身近な存在だからこそ、英語でもたくさんの表現に使われています。ただの果物の名前が、人の性格や状況を表す便利な言葉になっています。
たとえば「a peach」。直訳すれば「桃」ですが、人に対して使うと「すごく素敵な人」「親切な人」という意味になります。「She is a peach.」と言えば、「彼女は本当にいい人だよ」というニュアンスですね。
逆に「a lemon」と言うと、「欠陥品」という意味。車を買ったのにすぐ壊れてしまったとき、「I bought a lemon.」と表現します。日本語の「すっぱいレモン」のイメージからは想像しにくいですが、英語ではマイナスの意味を持っているのがおもしろいところです。
「apple」も多彩です。「the apple of one’s eye」は「とても大切な存在」。聖書にも登場する古い表現で、りんごがいかに特別な果物だったかがうかがえます。また、「an apple a day keeps the doctor away(1日1個のりんごで医者いらず)」ということわざは、日本でもよく知られていますね。
さらにユニークなのは「cherry-pick」。これは「都合のいいところだけを選ぶ」という意味で使われます。おいしそうなサクランボを一粒ずつ選ぶ様子から生まれた表現です。
フルーツの単語ひとつでも、英語ではポジティブな意味やネガティブな意味、ことわざや比喩に広がっています。次に「apple」や「lemon」という言葉を耳にしたとき、ただの果物以上のニュアンスが隠れているかもしれませんよ。