日本語には「話し言葉」と「書き言葉」がありますが、英語にも同じような区別があります。一般的に「文語」は英語で「formal English」や「literary English」と呼ばれ、日常会話よりもかたい表現を使うのが特徴です。
たとえば会話では「I’m gonna go.(行くね)」のように話しますが、文語では「I am going to go.」と省略を使わず丁寧に書きます。また、日常会話で「It’s fine.(大丈夫)」と言うところを、文語では「It is acceptable.」のように少し硬い語を選びます。語彙や文の構造に気を配る点が大きな違いです。
文学作品やスピーチでは、さらに洗練された「literary English(文学的英語)」が使われることもあります。たとえば古い詩や聖書では「thee(汝を)」「thou(汝は)」「hath(持つ)」といった昔の文語的な語が登場します。これらは今では日常では使われませんが、文語の伝統を感じさせます。
現代の文語的な英語は、学術論文、ニュース記事、ビジネス文書などでよく見られます。そこでは「because」の代わりに「since」や「due to」を使ったり、「get」よりも「obtain」「receive」のような正式な動詞を選んだりします。語の選び方ひとつで、文章の印象がぐっと変わるからです。
つまり、英語の「文語」は単に「難しい言葉」ではなく、場面に合わせて丁寧に表現するための言葉遣いです。文語は少しかしこまって見えるかもしれませんが、その中に英語の美しさや品格が宿っていると考えると、面白いですよね。
