日本語の「間(あいだ・ま)」は、とても便利で奥の深い言葉ですよね。時間のあいだ、空間のあいだ、人と人の距離など、いろんな「すきま」や「つながり」を表すことができます。英語ではひとつの単語で完全に置き換えることはできませんが、文脈によって「between」「among」「while」「during」「interval」「space」などを使い分けます。
まず、二つのものの間を表すときは「between」が使われます。「between the two buildings(2つの建物の間)」や「between you and me(ここだけの話)」のように、明確に区切られた二者の間を指します。一方で、三つ以上のものの間なら「among」が自然です。「among friends(友人たちの間で)」のように使います。
時間の「間」には「while」や「during」を使います。「while」は動作が同時に進むイメージで、「while I was cooking(料理をしている間に)」のように使います。「during」は特定の期間を指すときに使い、「during the summer(夏の間)」などと表現します。
少し抽象的な「間合い」や「タイミング」の意味では、「timing」や「pause」が近いです。たとえば会話での「間が悪い」は「bad timing」と言いますし、「いい間を取る」は「a good sense of timing」です。日本語の「間」は、静けさや空白を大切にする文化的な感覚とも結びついているため、英語ではそのニュアンスを別の表現で補うことが多いです。
また、物理的なすき間を表すなら「space」や「gap」を使います。「a small gap between the doors(ドアの間のすき間)」のように具体的な空間を指します。
このように「間」という言葉には、時間・空間・人間関係・感情など、多層的な意味があります。英語ではそれぞれを分けて表す必要がありますが、裏を返せば、日本語の「間」にはそれらをまとめて包み込む豊かな感覚があるとも言えます。英語に訳しながら、「間」という言葉の奥ゆかしさを改めて感じてみるのも面白いですね。
