日本語の「思いやり」は、とても温かく、相手の気持ちに寄り添うような言葉です。英語では一語で完全に同じ意味を表す言葉はありませんが、「kindness」「consideration」「compassion」などが近い意味を持ちます。それぞれ少しずつニュアンスが違うので、場面によって使い分けられます。
まず最も一般的なのは「kindness」です。「kind」は「親切な」という意味で、「She showed great kindness to me(彼女は私にとても親切にしてくれた)」のように使います。日常的な「思いやり」や「優しさ」を表すときに使う表現です。
次に「consideration」は、「相手の立場を考える」という意味合いを強く持ちます。「Thank you for your consideration.(ご配慮ありがとうございます)」のように、ビジネスやフォーマルな場面でも使われる表現です。「思いやり」というより「気配り」や「配慮」に近い印象ですね。
そして「compassion」は、より深い同情や共感を表す言葉です。「compassion for others(他者への思いやり)」のように使われ、心の痛みを理解して寄り添う気持ちを指します。宗教的な文脈や、人道的な活動の中でもよく登場する言葉です。
このほか、「empathy(共感)」も「思いやり」と関係の深い言葉です。相手の感情を自分のことのように感じ取る力を指し、心理学の分野などでよく使われます。「sympathy(同情)」は相手をかわいそうに思う気持ち、「empathy」はその人の気持ちを理解しようとする心の動きです。
つまり、英語で「思いやり」を表したいときは、「kindness(優しさ)」「consideration(配慮)」「compassion(深い思いやり)」「empathy(共感)」などを、伝えたい気持ちの深さや状況に応じて選びます。
