日本語の「どうぞ」はとても便利な言葉ですよね。何かを差し出すとき、案内するとき、お願いするときなど、いろいろな場面で使えます。しかし、英語ではひとつの単語で万能に言い換えることはできません。状況ごとに、少しずつ違う表現を使い分けます。
まず、相手に何かを渡すときの「どうぞ」は、「Here you are」や「Here you go」が自然です。どちらも「はい、どうぞ」という意味で、カジュアルな会話でよく使われます。たとえば、コーヒーを手渡すときに「Here you go.」と言えば、やさしい印象になります。
相手を先に通したり席を勧めたりするときの「どうぞ」は、「After you」や「Please have a seat」が使われます。「After you」は「お先にどうぞ」という意味で、とても丁寧な言い方です。レストランなどで席を案内するときには「Please have a seat(おかけください)」がぴったりです。
また、何かを勧めるときの「どうぞ」は「Please help yourself」が便利です。直訳すると「自分でどうぞ」という意味ですが、「自由に取ってね」「ご自由に召し上がってください」という親しみのある表現になります。
一方、お願いや依頼をするときの「どうぞ」は「Please」を使います。「Please come in(どうぞお入りください)」や「Please take a look(どうぞご覧ください)」のように、動作を促すときに添えます。英語では「Please」をつけることで、やわらかく丁寧な印象になります。
このように、日本語の「どうぞ」は場面ごとに英語では違う表現になります。「Here you are」「After you」「Please」「Help yourself」などを使い分けることで、自然で温かみのある英語が話せるようになります。小さな一言ですが、相手への思いやりが伝わる言葉ですね。
