地震のニュースなどでよく聞く「震央」。これは、地震の震源の真上にあたる地表の地点を指します。英語では「epicenter(エピセンター)」と言います。科学用語ですが、日常のニュースでもよく使われる単語です。
「epi-」はギリシャ語で「〜の上に」、「center」は「中心」を意味します。つまり「epicenter」は「中心の上にある場所」という語の成り立ちそのものが「震源の真上」を表しているんですね。
使い方としては、「The epicenter of the earthquake was near Tokyo(地震の震央は東京付近でした)」のように言います。報道では「The earthquake’s epicenter was located 50 kilometers off the coast(震央は沖合50キロ地点)」といった表現もよく見られます。
面白いのは、この「epicenter」という言葉が比喩的にも使われることです。たとえば「the epicenter of fashion(ファッションの中心地)」や「the epicenter of the crisis(危機の中心)」のように、地震以外の出来事の中心を表すときにも使われます。まるで出来事の震源地のように、影響が広がる場所や出来事を指すんですね。
ちなみに、「震源」そのものは「hypocenter(ハイポセンター)」と言います。「hypo-」は「下に」という意味なので、「epicenter(上)」と「hypocenter(下)」はセットで覚えるとわかりやすいですね。
「epicenter」という言葉は、地球科学の専門用語でありながら、英語の世界ではニュースや比喩表現にも息づいています。言葉の成り立ちを知ると、英語がどんなふうに自然科学と文化を結びつけているのか、少し見えてくる気がしますね。
