英語で「休日」や「休み」を表現する際、真っ先に思い浮かぶのは「holiday」や「vacation」でしょう。しかし、これらの言葉の使い分けや語源を辿ると、英語圏の宗教観や労働に対する考え方の変遷が見えてきます。
まず「holiday」という単語の語源ですが、これは「holy day(聖なる日)」が一つになったものです。もともとは、キリスト教の祭日や、神に捧げるための「仕事の手を止める特別な日」を指していました。現代では宗教的な意味合いが薄れ、単なる「休みの日」を指すようになりましたが、その根底には「安息日」という文化が流れています。
面白いのが、アメリカ英語とイギリス英語での使い分けです。アメリカでは、クリスマスや独立記念日のような「祝日」を「holiday」、数日以上の「休暇・旅行」を「vacation」と明確に分ける傾向があります。一方、イギリスでは祝日も長期休暇も一括りに「holiday」と呼ぶのが一般的です。イギリス人に「Where are you going for your holidays?」と聞かれたら、それは祝日の予定ではなく、次の旅行の計画を尋ねられています。
仕事に関連した休みでは、「day off」という表現がよく使われます。これは「予定されていた勤務表から外れた日」というニュアンスで、シフト制の仕事や個人的に取った休みを指すのに適しています。また、イギリス特有の表現に「Bank Holiday(バンク・ホリデー)」があります。これは19世紀、銀行が休みになれば経済活動が止まり、結果的にみんなが休めるだろうという理由で制定された公的な休日です。現在もイギリスの祝日の多くはこう呼ばれています。
「休日」にまつわるユニークな慣用句に「busman’s holiday(バス運転手の休日)」というものがあります。これは「休日なのに、普段の仕事と同じようなことをして過ごすこと」を意味します。かつてバスの運転手が、休日に客として他のバスに乗って遠出したというエピソードから生まれた皮肉混じりの表現です。
また、最近のビジネスシーンでよく耳にするのが「sick day(病欠)」や、心の健康のために休む「mental health day」です。これらは単なる欠勤ではなく、労働者の権利としてポジティブに捉えられるようになっています。
文法的な注意点として、特定の祝日を指す場合、例えば「Christmas」や「Easter」には通常「the」を付けません。しかし、「The summer holidays」のように、ある特定の期間を指す場合には「the」を伴うことがあります。
このように、一口に「休日」と言っても、それが神に捧げる日だったのか、銀行が休む日なのか、あるいはバスの運転手のn気晴らしなのか、言葉の裏側には多様な物語が詰まっています。次に休みを取る際は、その「休み」が英語でどの単語に当てはまるか考えてみると、自分のリフレッシュの質も少し変わるかもしれませんね。
