英語で「星」を指す最も一般的な単語は「star」ですが、天文学的な対象を指すだけでなく、古くから人々の運命、希望、そして「輝かしい存在」の象徴として使われてきました。
まず、言葉の使い分けに注目すると、日本語の「星」は太陽、月、惑星、流星などを幅広く含みますが、英語の「star」は基本的に自ら光り輝く「恒星」を指します。金星や火星などの惑星は「planet」と呼び分けられます。また、航海の指針となった「北極星」は「The North Star」や「Polaris」と呼ばれ、迷った時の「導き」の代名詞としても使われます。
「星」と「運命」の結びつきは、英語の語源にも深く刻まれています。例えば、日本語でも使われる「disaster(災害)」という言葉は、ギリシャ語の「dis(反する・悪い)」と「aster(星)」が組み合わさったものです。かつて、天体の配置が乱れることは不吉な出来事の前触れだと信じられていた歴史が、この単語に反映されています。ちなみに、記号の「*(アスタリスク)」も「asterisk(小さな星)」という意味を持っています。
幸運に関する表現も豊富です。「Thank one’s lucky stars」は「自分の幸運な星に感謝する(=運が良かったと思う)」という意味で、自分の成功を謙虚に喜ぶ際に使われます。一方、変えられない運命については「It’s written in the stars.(それは星に書かれている=運命で決まっていることだ)」と言います。シェイクスピアが『ロミオとジュリエット』で使った、不運な恋人たちを指す「star-crossed lovers」という言葉も、星の巡り合わせが悪いことを意味する格調高い表現です。
現代では「成功者」や「有名人」を指して「star(スター)」と呼ぶのが一般的ですが、これに関連するユニークな単語に「starstruck」があります。これは憧れの有名人に会って「星に打たれたように」圧倒され、舞い上がって言葉が出ない様子を表します。また、大きな野望を抱くことを「Reach for the stars(星に手を伸ばす)」と表現し、不可能に近いほど高い目標に挑戦する姿勢を肯定的に捉える文化があります。
文法的な側面では、特定の恒星や星座を指す際、多くの場合で定冠詞の「the」を伴います。「The Sun(太陽)」や「The Big Dipper(北斗七星)」などがその例です。
このように、英語における「星」は、単なる夜空の点ではなく、私たちの進むべき道を示したり、時には抗えない運命を象徴したりする非常にドラマチックな言葉なんですね。
