日本の学生生活の中心にある「部活動」。英語では「club activities」や「extracurricular activities(課外活動)」と表現されますが、その文化背景や使われる単語には、日本とは異なる学校生活の様子が反映されています。
まず、文化的な大きな違いとして「季節性」が挙げられます。日本の運動部は一年を通して同じ競技を行いますが、アメリカやイギリスでは「seasonal sports」が一般的です。秋はアメフト、冬はバスケ、春は野球といった具合に、季節ごとに異なるスポーツに参加することも珍しくありません。そのため、「野球部に入っている」と言う場合も、「I’m in the baseball club」よりは、「I’m on the baseball team」と言う方が自然で、あくまで「チームの一員」という感覚が強いのが特徴です。
アメリカの高校ドラマなどでよく耳にする「varsity(ヴァーシティ)」という言葉をご存じでしょうか。これは学校代表の「一軍チーム」を指す言葉です。語源は「university」の短縮形であり、かつて19世紀のイギリスで、大学代表チームを指して使われ始めたのが由来です。対して、二軍や下級生のチームは「JV (Junior Varsity)」と呼ばれます。この階級社会は実力主義の現れでもあります。
また、入部のプロセスにも違いがあります。日本では希望すれば誰でも入部できることが多いですが、英語圏の競技スポーツでは「tryout(入部テスト)」が一般的です。そのため、部活に入ることを表現する際に「make the team(チームの一員になる=選抜に通る)」という言い回しがよく使われます。「I finally made the soccer team!」と言えば、単に入部しただけでなく、実力が認められてチーム入りを果たした喜びが伝わります。
日本人がよく使う英語表現で注意したいのが「belong to」です。「テニス部に所属しています」を直訳して「I belong to the tennis club」と言いがちですが、これは「~の所有物である」というニュアンスが強く、日常会話では少し重たく聞こえます。もっと自然に「I’m in the tennis club」や、スポーツチームなら前置詞のonを使って「I’m on the tennis team」と言うのが一般的です。
このように、英語の「部活動」にまつわる表現を見ていくと、一つのことに打ち込む日本の「道」の精神とは異なり、シーズンごとに切り替えたり、実力でポジションを勝ち取ったりする、欧米の合理的かつ競争的なスタイルが言葉の端々に見えてきます。
