私たちが毎日使っている「パソコン」。実はこれ、和製英語の代表格であり、そのまま「Pasokon」と言っても英語圏の人には通じません。正しくは「Personal Computer」の略ですが、英語圏のリアルな使い方や語源を知ると、テクノロジーと言葉の面白い関係が見えてきます。
英語でパソコン全体を指す場合、最も一般的なのはシンプルに「computer」か、略称の「PC」です。しかし、形によって呼び名が明確に分かれます。日本語の「ノートパソコン」も和製英語であり、正しくは「laptop」と表現します。これは「lap(座った時の膝から太もも)」と「top(上)」を組み合わせた言葉で、膝の上に置いて使えるコンピューターという意味から名付けられました。机の上に置く「desktop」と対になった表現です。
また、英語圏ならではの文化として、「PC」という言葉が単なる「個人用コンピューター」ではなく、「Windows搭載のパソコン」を限定して指すことが多いという点があります。そのため、「MacとWindowsどちらを使っている?」と聞きたい時に、「Are you a Mac or a PC?」というフレーズが日常的に使われます。
「computer」という単語自体の語源も非常にユニークです。計算するという意味の「compute」に、「〜する人」を表す接尾辞「-er」がついた言葉ですが、実は17世紀から20世紀半ばにかけて、「computer」とは機械ではなく「計算を行う職業の人(計算手)」を指す言葉でした。電子計算機が普及するにつれて、人間の仕事の名前がそのまま機械の名前へと引き継がれたのです。
日常会話でのトラブル表現も知っておくと便利です。パソコンが「フリーズする(固まる)」は英語でも「freeze」ですが、突然画面が消えたり電源が落ちたりする深刻な状態は「crash」や「die(死ぬ)」という表現が使われます。「My computer died!(パソコンが壊れた!)」は、少し大げさに聞こえるかもしれませんが、ネイティブがよく使う自然なフレーズです。
文法的なポイントとしては、パソコンを使って何かをしている時、前置詞は「in」ではなく「on」を使います。「I am working on the computer.(パソコンで作業中)」といった具合です。これは、画面という「表面」に向かって作業しているという感覚から来ています。
テクノロジーの進化とともに生まれたパソコンに関する英語表現。人間の職業名が由来だったり、膝の上という身体の部位が名前になっていたりするのを知ると、無機質な機械もなんだか人間味を帯びて感じられるのではないでしょうか。
