日本のお祝い事に欠かせない「赤飯」。そのまま「Sekihan」でも通じる場面が増えましたが、英語圏の人に説明する際に最も一般的な表現は「red bean rice」です。その材料や文化的な背景を英語で紐解くと、異文化交流の面白いヒントが見えてきます。
まず、赤飯の独特のもちもちとした食感を生み出す「もち米」は、英語で「sticky rice」や「glutinous rice」と表現されます。そして、赤い色をつける小豆は「adzuki beans」や「red beans」と呼ばれます。ただし、単に「red beans」と言うと、アメリカなどではチリコンカンに使われる大きな赤いインゲン豆(キドニービーンズ)を想像されることがあるため、「Japanese red beans」と補足するとより正確に伝わります。
日本の赤飯は、お祝いの席(festive occasions)で食べられます。古来より赤色には邪気を払う力があるとされ、おめでたい日に食べられるようになったという歴史があります。英語でこのニュアンスを伝えるなら、「It is a traditional dish for celebration.(お祝いのための伝統的な料理です)」と説明すると、文化的な背景までしっかり伝わります。
ちなみに、アメリカのルイジアナ州などにも「red beans and rice」という郷土料理があります。しかし、こちらは豚肉やスパイスと一緒に豆を煮込み、白米にかけて食べる全く別の料理で、伝統的に「月曜日の家庭料理」として親しまれています。同じ「赤い豆とご飯」の組み合わせでも、国によってお祝いの特別な料理だったり、日常の料理だったりと位置づけが異なるのがユニークですね。
また、直接的な赤飯の英訳ではありませんが、英語で「赤」を使ったお祝いに関連する慣用句に「paint the town red」があります。直訳すると「町を赤く塗る」ですが、実際は「派手にお祝いする」「どんちゃん騒ぎをする」という意味で使われます。洋の東西を問わず、「赤」という色が高揚感や非日常のお祝いムードと結びついているのは興味深い共通点です。
文法的な特徴としては、「rice(米)」は数えられない名詞(不可算名詞)であるため、冠詞の「a」はつけません。「赤飯を食べる」と言う時は「eat some red bean rice」や、お茶碗一杯であることを強調して「a bowl of red bean rice」と表現するのが自然です。
このように、「赤飯」を英語で説明することは、単なる料理の翻訳を超えて、日本の伝統や色彩感覚を伝える素晴らしいきっかけになります。身近な日本食の背景を英語で知ることで、異文化コミュニケーションがさらに楽しくなるのではないでしょうか。
