日本語でも日常的に使う「コミュニケーション」という言葉。英語でもそのまま「communication」ですが、その語源や使われ方、関連する慣用句を紐解くと、英語圏の人々が対話をどのように捉えているかが見えてきます。
「communication」の語源は、ラテン語で「共有する」「共通のものにする」という意味を持つ「communicare」に遡ります。つまり、単に言葉を発するだけでなく、考えや感情をお互いの「共通の財産」にすることが本来の意味なのです。動詞の「communicate」は単なる「話す(speak / talk)」とは異なり、「We need to communicate.」と言えば、「お互いの気持ちを深く共有し、理解し合う必要がある」という重みのあるニュアンスになります。意思疎通を図る際に「communicate with someone」と前置詞の「with」を伴うことからも、双方向のやり取りであることが強調されています。
スムーズなコミュニケーションを表す際に、英語ならではの面白い表現があります。ビジネスシーンでもよく使われる「be on the same page」です。直訳すると「同じページにいる」ですが、「共通の認識を持っている」「話が通じている」という意味になります。同じ本や資料の同じページを見ているからこそ話が噛み合う、という非常に視覚的で分かりやすい表現ですね。
一方で、コミュニケーションが上手くいかない「すれ違い」の状態は「talk at cross purposes」と表現されます。「交差した目的で話す」という直訳の通り、お互いの意図が噛み合わず、平行線をたどっている様子を表します。また、言葉にされない真意を汲み取ることを「read between the lines(行間を読む)」と言いますが、これは日本語と全く同じ発想で使われているのが興味深いポイントです。
英語圏(特に欧米)は、言葉にして明確に伝えることを重んじる文化だと言われます。「察する」ことよりも、論理的に「get one’s message across(自分の考えを相手にしっかり理解させる)」スキルが求められます。
普段何気なく使っている「コミュニケーション」という言葉ですが、英語のルーツや慣用句を知ることで、「相手と何かを共有する」というコミュニケーションの本質を、改めて意識できるのではないでしょうか。
