文章の末尾でよく見かける「etc.」。「〜など」という意味で日本語でもすっかりお馴染みですが、その語源や英語圏での正しい使用ルールを紐解くと、意外な事実が見えてきます。
まず、「etc.」は英単語ではなく、ラテン語の「et cetera(エト・セトラ)」の略語です。「et」は英語の「and(〜と)」に相当し、「cetera」は「the rest(その他のもの)」を意味します。ここで注意したいのが、「et」に既に「and」の意味が含まれている点です。そのため、「and etc.」と書いてしまうと「〜と、とその他」のように意味が重複してしまい、文法的に誤りとなります。また、発音にも注意が必要です。よく「エクセトラ(ex cetera)」と勘違いされますが、正しくは「エト・セトラ」です。実はネイティブスピーカーでも間違って発音する人がいるほど、よくある間違いの一つとなっています。
使い方における重要なルールとして、「etc.」は「モノや事柄」に対してのみ使われ、「人」に対しては使わないという原則があります。もし「A氏、B氏、その他の人々」と表現したい場合は、同じくラテン語由来の「et al.(et aliiの略:エト・アール)」を使います。論文や学術書などの参考文献で、複数の著者を省略する際によく見かける表現です。
ビジネスメールや日常的なメモでは便利な「etc.」ですが、実はフォーマルな英語の文章(エッセイや公式なレポートなど)では使用を避けるべきだとされています。読者に「その他」の中身を想像させる曖昧な表現だからです。正式な文書では、代わりに「and so on」を用いたり、そもそも「such as ~(例えば~)」を使って代表例だけを挙げ、無理に「その他」で濁さないスタイルが好まれます。
最後に、表記上のルールです。「etc」は略語であるため、必ず最後にピリオドを打って「etc.」とする必要があります。文の途中で使う場合は「Apples, bananas, etc., are healthy.」のように、ピリオドの直後にカンマを打って文を続けるのが正しい表記法です。
このように、私たちが何気なく使っている「etc.」には、古代ローマから受け継がれたラテン語の歴史や、厳密なルールが隠されています。次に英語で文章を書く際は、単なる「など」という記号としてではなく、その背景にある言葉の面白さを感じてみてはいかがでしょうか。
