数字の「0」は、英語でも「zero」と言いますが、状況や文脈によって驚くほど多様な呼ばれ方をする、非常に奥深い数字でもあります。
まず、私たちが最もよく知る「zero」は、数学や科学、気温などを表す際に使われます(例:Zero degrees「0度」)。一方で、電話番号やホテルの部屋番号、年号(2009年など)を読み上げる際は、数字の0がアルファベットの「O(オー)」に見えることから、「oh(オー)」と発音されるのが一般的です。例えば、部屋番号の「104」は「one oh four」となります。
さらに面白いのが、スポーツの得点における「0」の表現です。競技によって呼び方がガラリと変わります。サッカーでは「nil(ニル)」が使われ、1対0は「one-nil」と表現されます。また、テニスでは「love(ラブ)」という独特な表現が使われます。これは、数字の0の形が卵に似ていることから、フランス語で卵を意味する「l’œuf(ルフ)」が英語圏に伝わってなまり、「love」になったという説が有力です。
イギリス英語ならではの表現としては「nought(ノート)」もあります。これは主に小数点を読む際に使われ、「0.5」を「nought point five」と発音することが多いです。
また、日常のカジュアルな会話では「全く何もない(ゼロである)」ことを強調するために、「zip(ジップ)」「zilch(ジルチ)」、あるいはスペイン語由来の「nada(ナーダ)」といったスラングも頻繁に登場します。「I have zero money.(お金が全くない)」と言う代わりに、「I have zilch.」と表現したりします。
日常でよく使われる熟語としては、「〜に的を絞る」「〜に集中する」という意味の「zero in on 〜」があります。カメラのピントを合わせたり、目標をロックオンしたりするイメージから生まれた、ビジネスでもよく登場する表現です。
たった一つの「0」という数字ですが、場面によってこれほど姿を変えるのは、英語の表現の豊かさを象徴しているようです。次に英語のニュースやスポーツ中継に触れる際は、「0」がどう発音されているか、ぜひ耳をすませてみてください。
