英語を学び始めて最初に覚える単語の一つである「like」。「好き」という意味の動詞としておなじみですが、実は日常会話やインターネット上で最も多様な使われ方をする、非常に奥深い単語です。
まず基本的な役割として、「動詞」と「前置詞」という全く異なる二つの顔を持っています。動詞としては「I like cats(猫が好き)」となりますが、前置詞として使われると「~のような」という意味に変わります。「He looks like a cat(彼は猫みたいだ)」といった具合です。同じ単語でありながら、文のどこに配置されるかで役割がガラリと変わるのが特徴です。
そして、現代のネイティブ会話で頻繁に登場するのが、会話の「つなぎ言葉(フィラー)」としての「like」です。日本語の「なんか」「ていうか」「~みたいな」に相当し、言葉に詰まった時や、発言を少しぼかしたい時に「It was, like, totally awesome.(なんか、超最高だったよ)」のように使われます。世代を問わず無意識の口癖になっている人が少なくありませんが、フォーマルな場で連発すると幼い印象を与えてしまうため注意が必要です。
また、現代のSNS文化によって「like」は新たな地位を確立しました。FacebookやInstagramなどの「いいね!」ボタンは英語で「Like」と呼ばれ、「How many likes did you get?(いくつ『いいね』もらった?)」のように、完全に「名詞」として日常的に使われるようになっています。
文法的に便利な表現としては「would like to」があります。これは「want(~したい)」の丁寧な表現で、レストランでの注文やビジネスシーンなどで「I would like to order…(~をお願いしたいのですが)」のように使われます。直接的な要求を柔らかくする、大人のコミュニケーションに必須のフレーズです。
さらに、「be like」で「〜と言う」という引用の役割も果たします。「And he was like, “No way!”(で、彼が『あり得ない!』って言ってさ)」のように、カジュアルな場面で会話を再現する際によく使われるテクニックです。
このように、「like」は単に好みを伝えるだけでなく、会話のテンポを作ったり、相手への配慮を示したりする「カメレオン」のような単語です。教科書通りの意味から一歩踏み出して、ネイティブのリアルな使い方に注目してみると、英語のコミュニケーションがさらに楽しくなるはずです。
