日本の食卓やファミリーレストランで大人気の「ハンバーグ」。実はこの言葉、そのまま英語圏で使っても通じない和製英語(もしくは省略語)であることをご存知でしょうか?今回は、そんな「ハンバーグ」にまつわる英語表現と、意外な歴史や雑学をご紹介します。
まず、英語で「Hamburg」と言うと、ドイツの都市名「ハンブルク」として伝わってしまいます。では「hamburger」と言えば良いかというと、これだとパン(バンズ)に挟まれたいわゆる「ハンバーガー」が出てきます。日本人が想像する、お皿に乗ったお肉だけの状態を表現したい場合は、「hamburger patty(ハンバーガーのパティ)」や「burger patty」と呼ぶのが最も自然です。
また、ソースがかかった日本の洋食風ハンバーグに最も近い英語圏の料理として、「Salisbury steak(ソールズベリー・ステーキ)」があります。これは19世紀のアメリカで、ジェームス・ソールズベリーという医師が「消化に良い健康食」として考案したものです。少しジャンクなイメージを持たれがちな挽き肉料理が、元々は胃腸を休めるための医療目的で生み出されたというのは驚きですね。
そもそも「ハンバーグ」のルーツは、その名の通りドイツのハンブルク(Hamburg)にあります。19世紀にドイツからの移民がアメリカへ渡る際、船内や移住先で食べていた挽き肉料理「ハンブルク風ステーキ(Hamburg-style steak)」が語源です。それがアメリカナイズされてパンに挟まれ、世界中で愛される料理へと進化しました。
現代のユニークな用語として、ITの世界で使われる「hamburger menu(ハンバーガーメニュー)」があります。スマートフォンのアプリやウェブサイトの端によくある「三本線のアイコン」のことです。三本の線が「バンズ・パティ・バンズ」の層に見えることからこの名が付けられました。食文化がデジタルの世界にも影響を与えている面白い例です。
文法的な注意点として、ハンバーグの材料である牛挽き肉は、アメリカ英語で「ground beef」、イギリス英語で「minced beef」と呼ばれます。これらは不可算名詞(数えられない名詞)なので、「a ground beef」とは言わず「some ground beef」や「a pound of ground beef(1ポンドの挽き肉)」のように量で表現します。
私たちが普段何気なく食べている「ハンバーグ」には、ドイツからアメリカへの移民の歴史や、健康への願い、さらには現代のスマホ用語まで、様々なストーリーが詰まっています。次にハンバーグを食べる時は、そんな国境を越えた言葉の旅に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
