アルファベットの最後の文字としておなじみの「z」。普段何気なく使っていますが、実はアメリカ英語とイギリス英語で発音が異なったり、一度アルファベットから外された過去があったりと、非常に波乱万丈な歴史を持つ文字であることをご存知でしょうか。今回は「z」にまつわる面白い雑学や使い方を紹介します。
「z」の起源は、古代ギリシャ文字の「ゼータ(Zeta)」にさかのぼり、さらにそのルーツはフェニキア文字の「ザイン(Zayin)」という「武器」や「剣」を意味する記号だと言われています。実は古代ローマ時代、ラテン語には「z」の音が不要だったため、なんと一度アルファベットのリストから外されてしまいました。しかしその後、ギリシャ語からの借用語を正確に表記する必要が出てきたため、再びリストに追加されました。その際、すでに他の文字が定着していたため「一番最後」に付け足されたのです。これが、「z」がアルファベットの最後尾に置かれている理由です。
「z」の発音といえば日本では「ゼット」が一般的ですが、英語圏では国によって発音が異なります。アメリカ英語では「zee(ズィー)」と発音されるのに対し、イギリス英語やオーストラリア、カナダなどでは「zed(ゼッド)」と発音されます。日本の「ゼット」は、イギリス英語の「zed」がオランダ語などを経由して訛ったものだと考えられています。
「z」を使ったユニークな英語表現として有名なのが「catch some Z’s」です。これは「少し眠る」「仮眠をとる」という意味のカジュアルなフレーズです。アメリカの漫画(コミック)で、人がいびきをかいて寝ている様子を「Zzz…」と表現したことが由来で、現在でも日常会話でよく使われています。
また、「from A to Z」で「最初から最後まで(すべて)」という意味になります。近年では、1990年代後半から2010年代序盤に生まれた世代を指す「Generation Z(Z世代)」という言葉も頻繁に耳にするようになりました。アルファベットの最後である「Z」を使うことで、新しい時代の象徴的な世代といったニュアンスも感じられますね。
アルファベットの最後にひっそりと佇む「z」ですが、その背景には一度はリストラされながらも復活を果たしたドラマチックな歴史や、人々の生活に密着したユニークな使われ方があります。次に英語に触れる際は、このアルファベットの「大トリ」にぜひ注目してみてください。
