「ワーク」と聞くと、日本語では「仕事」や「作業」を連想する人が多いですよね。英語の「work」も基本は「仕事」「労働」を意味しますが、その扱い方にはちょっと特徴があります。
まず「work」は数えられない名詞(uncountable noun)として使われるのが一般的です。たとえば「I have a lot of work to do.」と言えば「やるべき仕事がたくさんある」という意味になります。このとき「works」とは言いません。日本語の感覚で「ワークス」としてしまうと不自然になってしまうんですね。
では「works」はどのような場面で使われるのでしょうか。ひとつは「作品」という意味で使うときです。たとえば「the works of Shakespeare」と言えば「シェイクスピアの作品群」を指します。この場合は「work=仕事」ではなく「創作物」という意味で使われています。
もうひとつは「工場」や「施設」を表すとき。たとえば「ironworks」は「製鉄所」、「waterworks」は「水道施設」といった意味になります。ここでの「works」は「大規模な仕組み」や「工場設備」をイメージするとわかりやすいです。
さらに日常会話では「It works!」という使い方もよく耳にします。これは動詞の「work」で「うまく機能する」「ちゃんと動く」という意味。機械やアイデアが想定通りに動いているときに使える便利な表現です。
つまり、「work」は不可算名詞として「仕事」、可算名詞として「作品」や「施設」などの意味があります。そして動詞では「機能する」というまったく別の顔も。ひとつの単語がこんなに多彩に使えるのは、英語の奥深さを感じるところですね。