「manner」という言葉、学校で「マナー」として覚えた人も多いと思います。英語では少し幅広い意味を持っていて、単数形と複数形でニュアンスが変わるのがポイントです。
まず単数形の「manner」。これは「やり方」「方法」という意味で使われます。たとえば「He spoke in a friendly manner.」といえば「彼は親しげな方法(態度)で話した」ということ。ここでは「style」や「way」と近いイメージです。また、「in a manner of speaking」といえば「言ってみれば」という慣用表現にもなります。
一方で複数形の「manners」になると意味が変わり、「礼儀作法」「行儀」といった意味になります。「You should mind your manners.」は「礼儀をわきまえなさい」という意味ですね。子ども向けのしつけの場面などでよく耳にする表現です。
さらに「manners」には「態度」というニュアンスもあります。「He has bad manners.」といえば「彼は行儀が悪い」ですが、単に礼儀作法だけでなく、日常の振る舞い全般を含めていることも多いです。
面白いことに、「the manner in which〜」という形では「〜の方法で」という少し堅めの表現になり、論文やフォーマルな文章でよく使われます。
まとめると、「manner」は「方法・やり方」、「manners」は「礼儀・行儀」。日本語の「マナー=礼儀」というイメージだけだと片手落ちになってしまいます。同じ単語でも形によって意味が変わるのは、英語らしい奥深さですね。