英語を聞いていると、単語のある部分が強く発音されていることに気づきますよね。これが「アクセント(stress)」です。たとえば「happy」なら最初の「ha」が強く、「Japan」なら後ろの「pan」が強くなります。日本語では一文字ごとの長さや高さがわりと均等なので、英語のアクセントは慣れるまで不思議に感じるかもしれません。
アクセントの位置は、実は単語の種類や語源によってある程度の傾向があります。たとえば二音節の名詞や形容詞は前に、動詞は後ろにアクセントが置かれることが多いんです。名詞「record(レコード)」は前に強さがあり、動詞「record(記録する)」は後ろに強さが来る、という有名な例があります。
さらに、英語にはラテン語やフランス語から入ってきた単語がたくさんあります。これらは元の言語のアクセントの影響を引きずっているので、必ずしもシンプルなルールだけでは説明できません。たとえば「photograph」「photography」「photographic」といった派生語は、それぞれアクセントの位置が違います。こういう違いは、英語がさまざまな文化と混ざり合ってきた歴史を映していますね。
では、学習者としてはどうすればいいのでしょうか。おすすめは「単語ごとに丸暗記する」より、「音のリズム」に耳を慣らすことです。英語は「強い音」と「弱い音」のメリハリで成り立っています。アクセントのある母音ははっきり発音され、弱い位置の母音は「曖昧母音(ə)」に近づくことが多いです。だから、「どの音がはっきりしているか」を意識して聞くと、自然にアクセントの感覚がつかめます。
アクセントは単語の意味を区別する役割もありますが、同時に英語特有のリズムを生み出す大切な要素でもあります。日本語的にすべての音を均等に読むと、どうしても平坦に聞こえてしまいます。逆に、アクセントを少し意識するだけで、英語らしい響きになります。
つまり、アクセントは単なる「強弱の位置」ではなく、英語という言語のリズムそのもの。聞いて、まねして、体でリズムを覚えることが、自然な英語への近道になるのかもしれません。