なぜ英語には「複数形の-s」があるの?

スポンサーリンク

英語を学んでいて最初に出会う文法のひとつが、名詞の複数形をつくる「-s」ですよね。「apple」→「apples」、「book」→「books」。とても基本的なルールですが、「どうして複数を表すのに -s をつけるの?」と考えてみると、不思議に思いませんか。

実は、英語の祖先であるゲルマン語派の言語には、名詞を区別するために複雑な語尾変化がありました。古英語の時代には「-as」「-an」「-en」など、複数の形が混在していたんです。たとえば「stone」は古英語では「stanas」となり、「child」は「cildru」のように不規則な形をとっていました。

ところが、中世にかけて英語は大きな音変化と文法の簡略化を経験します。屈折語尾の多くが失われていき、その中で「-s」だけが広く残りました。この「-s」は北部方言で特に使われていた形で、やがて英語全体に広まっていったわけです。

もちろん、例外も生き残っています。「children」「men」「geese」などは古英語からの不規則形を今も受け継いでいますし、「oxen」のように昔の「-en」型の名残もあります。こうした単語はむしろ「言語の化石」として残っているんですね。

面白いことに、複数を「-s」で表す仕組みは英語だけでなく、フランス語やスペイン語などラテン語系の言語にもあります。英語がノルマン征服後にフランス語の影響を強く受けたことも、「-s」が主流化する後押しになったと考えられています。

つまり「apples」の「-s」は、単なるルールではなく、英語が歴史の中で形を整理してきた結果の象徴なんです。毎回つけるたびに、ちょっとした言語の進化の痕跡を見ていると思うと、少し楽しく感じられるかもしれませんね。

スポンサーリンク
英語学習におすすめの本

英語学習におすすめの本を紹介します!

大岩のいちばんはじめの英文法』は、英語の基礎をしっかり固めたい方にぴったりの一冊です。中学レベルからの超基礎文法を、講義形式でわかりやすく解説。初心者でも安心して学べる内容で、受験やTOEIC、英検にも対応しています。巻末の索引も便利で使いやすいです。➡詳しく見る

「金フレ」として知られる『TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ』は、最も定番のTOEIC対策書です。シンプルで効率的に単語を学ぶことができ、日常的な英語力の向上にも役立ちます。初心者から上級者まで幅広いレベルに対応しており、何度も繰り返し使えるので復習にも最適です。➡詳しく見る

英語耳』(英語耳 発音ができるとリスニングができる)は、英語のリスニング力を向上させたい方向けの本です。英語の音の変化や発音のポイントを理解することで、リスニングスキルを高めることができます。ネイティブが実際に使う音の連結や省略、イントネーションを学べるため、リスニングだけでなくスピーキングにも役立ちます。英語の「音」に慣れたい方向けの一冊です。➡詳しく見る

一億人の英文法』(一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法)は、英文法を「感覚」や「イメージ」で学べる本。理論的な説明ではなく、ネイティブスピーカーの直感的な感覚に基づいた解説が特徴です。実際の会話で役立つ文法を学べるため、英語を「話すため」の文法を重視している方に最適です。学習者に親しみやすい口語体で、堅苦しくなく、楽しく進められます。➡詳しく見る

🔎 Amazonで「英語 参考書」を検索する

コラム・雑記
\ シェアする /
タイトルとURLをコピーしました