「ベトナム語」は英語で「Vietnamese」と言います。「I can speak Vietnamese.(私はベトナム語を話せます)」のように使います。「Vietnamese」は「ベトナムの〜」「ベトナム人」という意味でも使われ、言語・国籍・形容のすべてをカバーする便利な単語です。
ベトナム語は、英語とはまったく違う系統の言語ですが、実は意外なつながりもあります。現在のベトナム語はアルファベットで書かれますが、もともとは「チュノム」という漢字を使っていた時代がありました。17世紀にフランス人宣教師アレクサンドル・ドゥ・ロードがラテン文字を使った表記法を作り、それが現在の「クオック・グー」のもとになりました。つまり、英語と同じアルファベットを使うようになったのは、フランスや西洋との関わりがきっかけだったのですね。
日本人にとってベトナム語は難しい言語のひとつとされます。理由の一つは声調(トーン)の存在です。ベトナム語には6種類の声調があり、同じ音の並びでも声の上がり下がりによって意味が変わります。たとえば「ma」という音でも、声の上げ下げで「お母さん」「おばけ」「お墓」などまったく違う意味になります。
日本語や英語の中にはベトナム語から入ってきた言葉も少しあります。たとえば料理名の「pho(フォー)」や「banh mi(バインミー)」はそのまま通じます。食文化を通して、ベトナム語が少しずつ溶け込んでいますね。
