日本語で「バツ」と言うと、試験で答えが間違っているときにつけられる「×」マークを思い浮かべる人が多いと思います。英語ではこの「×」は「cross」や「X mark」と呼ばれるのが一般的です。テストの場面なら「a wrong answer」や「marked with a cross」と表現できます。
一方で、英語では国や地域によって「×」の使い方が少し異なります。たとえばアメリカでは、正しい答えに「✓(check mark)」、間違いに「×」をつけるのが一般的ですが、イギリスでは逆に「✓」ではなく「×」で正解を示す場合もあります。文化の違いがこんなところにも表れるのは面白いですね。
「バツをつける」という動作を英語にすると「to cross out」となります。「間違えた単語をバツで消す」は「cross out the wrong word」と言えます。
また、日本語では「バツイチ(離婚経験が一度ある人)」という使い方もありますが、この表現は英語にはありません。英語では「divorced once」や「married and divorced once」といった形で説明的に言う必要があります。
さらに、「バツ」が禁止や否定を表すこともあります。標識の「立ち入り禁止マーク」や「禁煙マーク」に描かれる斜めの赤い線は「no symbol」と呼ばれ、「a circle with a slash」と説明されることもあります。
つまり「バツ」は、単純な記号でありながら、文脈によって「間違い」「正解」「禁止」などいろいろな意味を担っています。英語で表現するときも、状況に応じて「cross」「X mark」「cross out」「no symbol」と使い分ける必要があります。「バツ」という一語で解釈の違いが見えるのは面白いですね。
