日本語の「調子」はとても便利な言葉ですよね。「体の調子がいい」「調子に乗る」「パソコンの調子が悪い」など、いろんな場面で使われます。ところが英語では、場面に応じて別々の言葉を使い分けなければなりません。
まず、「体の調子」を言いたいときは「condition」や「feeling」が自然です。「I’m in good condition(体の調子がいい)」や「I’m not feeling well(調子がよくない)」のように表現します。「How’s your condition?」は少しかしこまった響きになるので、日常会話では「How are you feeling?」の方が柔らかく伝わります。
機械や道具の「調子が悪い」ときは「something is wrong with~」や「~is not working properly」を使います。「My computer isn’t working properly(パソコンの調子が悪い)」というように、具体的に「どう悪いか」を述べるのが英語的です。
また、「調子に乗る」という表現は直訳できませんが、ニュアンスによって言い方を変えます。いい意味で勢いに乗っているときは「I’m on a roll(今ノッてる)」と言います。逆に少し浮かれている様子なら「He’s getting carried away(調子に乗りすぎている)」という表現もあります。
さらに、音楽や声の「調子」を言いたいときは「tone」や「pitch」を使います。「Her tone was gentle(彼女の口調は優しかった)」や「The singer’s pitch is perfect(その歌手は音程が完璧だ)」のように、音や話し方の特徴を表せます。
つまり、「調子」は英語では一語では言い表せない多面的な言葉です。「condition」「tone」「mood」「pitch」「roll」など、状況に合わせて選ぶことで、より正確にニュアンスを伝えることができます。
言葉を選びながら、「いま自分の調子はどんな感じかな」と考えてみるのも、英語を使う楽しみのひとつかもしれませんね。
