日本語の「悪癖(あくへき)」は、「やめたいのについやってしまうよくない習慣」や「性格の欠点」を指します。英語では状況に応じて「bad habit(バッド・ハビット)」や「vice(ヴァイス)」などを使います。
いちばん一般的なのは「bad habit」です。「habit」は「習慣」なので、「bad habit」は「悪い習慣」という意味になります。「biting your nails is a bad habit(爪を噛むのは悪い癖だ)」のように、日常的な行動について言うときによく使われます。もし「良い習慣」と言いたければ「good habit」に変えるだけです。
一方で、「vice」はもう少し重い響きを持つ言葉です。もともと「悪徳」や「道徳的な欠点」を意味し、アルコールやギャンブルのような依存的な行動を指すことが多いです。「Smoking used to be his only vice(彼の唯一の悪癖は喫煙だった)」のように使われます。少し文学的で、人格的な弱さを含む表現です。
また、軽い言い方として「guilty pleasure」という言葉もあります。直訳すると「罪悪感のある楽しみ」ですが、「やめられないけど好きなもの」というニュアンスです。たとえば「Watching cheesy movies is my guilty pleasure(くだらない映画を見るのがやめられないんだ)」のように、悪癖というよりちょっとした悪ノリのような印象になります。
このように、英語では「悪癖」と一口に言っても、「行動の習慣」「道徳的な弱さ」「やめられない楽しみ」などの視点によって言葉を変えます。
日本語の「悪癖」にはどこか自分を責める響きがありますが、英語ではもう少し軽やかに受け止められることも多いようです。やめたい悪癖も、「a bad habit I’m working on(直そうとしている悪い癖)」と言い換えると、少し前向きに聞こえるかもしれませんね。
