日本語の「運命」は、ときに避けられない出来事を指し、ときに人との出会いや人生の流れをロマンチックに語る言葉としても使われます。英語でも似たような考え方がありますが、使う単語によって少しニュアンスが異なります。
最も一般的なのは「fate(フェイト)」です。これは「避けられない定め」や「決められた結末」といった、少し重い響きを持つ言葉です。たとえば「It was his fate to become a hero(彼が英雄になるのは運命だった)」のように、結果があらかじめ決まっていたような場面で使われます。「fate」にはどこか神秘的でドラマチックな響きがあります。
もう少し柔らかい印象を与える言葉に「destiny(デスティニー)」があります。これも「運命」と訳されますが、「自分が進むべき道」や「生まれ持った使命」というポジティブな意味合いが強いです。「Follow your destiny(自分の運命に従え)」のように、自らの選択や希望を重ね合わせる表現としてよく使われます。
また、「fate」や「destiny」が大きな力や流れを表すのに対して、「fortune(フォーチュン)」はもう少し日常的な「運」や「幸運」に近い言葉です。「good fortune(幸運)」「fortune teller(占い師)」など、未来の幸せを予感させるような使われ方をします。
さらに、「運命の出会い」と言いたいときには、「It was meant to be(そうなる運命だった)」という表現がよく使われます。直訳すると「そうなるように決まっていた」という意味で、恋愛映画や日常会話でもよく登場するフレーズです。
つまり、英語の「運命」は「fate」「destiny」「fortune」「meant to be」など、感じ方や文脈によって言葉が変わります。どれも人生の流れをどう受け止めるかを映す言葉です。重くもあり、希望にもなる「運命」という考え方は、英語でも日本語でも、人が生きるうえでの物語を語るときに欠かせないテーマなのかもしれませんね。
