日本語の「唯一無二」は、「ほかに同じものがない」「たった一つの存在」という意味を持つ、とても美しい表現です。英語にも同じようなニュアンスを伝える言葉はいくつかありますが、完全に同じ響きを持つ単語はありません。文脈に応じて少しずつ違う言い方を選びます。
いちばん近いのは「unique(ユニーク)」です。「独特の」「唯一の」という意味で、「She has a unique style(彼女には唯一無二のスタイルがある)」のように使われます。ただし、日常英語では「ちょっと変わっている」という軽い意味でも使われることがあるので、文脈によって印象が変わります。
もう少し強調したいときは、「one of a kind」という表現がぴったりです。直訳すると「同じ種類のものはひとつだけ」。つまり「唯一無二」に近いニュアンスです。「You’re one of a kind(あなたは唯一無二の存在だ)」と言えば、心からの褒め言葉になります。
ほかにも「irreplaceable(代えのきかない)」や「singular(比類ない)」といった言葉もあります。「Her kindness is irreplaceable(彼女の優しさは他に代えられない)」のように、少し感情を込めた表現に向いています。文学的に言いたいなら「There is nothing like it(それに匹敵するものはない)」というフレーズも味わいがあります。
このように、「唯一無二」は英語でもいろんな角度から表現できます。「unique」でシンプルに伝えるもよし、「one of a kind」で温かみを添えるもよし。言葉を選ぶときに、「何を強調したいのか」を考えると、その人らしい英語になります。
英語の表現にも「唯一無二」があるとすれば、それは話す人の感じ方や伝え方そのものかもしれませんね。
