日本語の「労力」は、何かを成し遂げるために使う「力」や「手間」「努力」を指します。英語では状況に応じて「effort」「labor」「work」「energy」など、いくつかの単語を使い分けます。
まず最も一般的なのは「effort」です。「努力」や「がんばり」に近い意味で、「It takes a lot of effort to learn a new language(新しい言語を学ぶには多くの労力が必要だ)」のように使います。「make an effort」は「努力する」という定番の表現で、日常でもよく登場します。
もう少し肉体的な働きを強調する場合は「labor」が合います。「manual labor(肉体労働)」や「hard labor(重労働)」のように、体を使う仕事や大変な作業を表すときによく使われます。「labor」には働くことそのものの意味もあり、「the labor force(労働力)」のように社会的な文脈でも使われます。
「work」も幅広く使える便利な言葉です。「It took a lot of work to finish this project(このプロジェクトを終えるのにかなりの労力がかかった)」と言えば、努力や手間を含んだニュアンスになります。フォーマルさは「effort」と「labor」の中間くらいです。
また、「energy」も「労力」を表すことがあります。「I don’t have the energy to do that(それをする元気がない)」のように、体力的・精神的なパワーを使う感覚に近い言葉です。
つまり、「労力」は英語でひとつの単語にまとめにくい言葉です。「effort」は心のがんばり、「labor」は体の働き、「work」は手間、「energy」はエネルギー。英語では文脈に合わせて選ぶ必要があります。
「労力を惜しまない」という気持ちは、英語では「spare no effort(全力を尽くす)」と表現されます。短いけれど力強いこの言葉には、働くことを前向きにとらえる姿勢が表れています。
