日本では春になると「入学式」があちこちで行われます。新しい生活の始まりを祝う大切な行事ですね。英語では状況によっていくつかの表現を使い分けます。
もっとも近いのは「entrance ceremony」または「school entrance ceremony」という表現です。日本の学校行事を英語で説明するときにはこれがいちばんわかりやすく、「We had an entrance ceremony at my new school(新しい学校で入学式がありました)」のように言えます。ただし、この言い方は日本のように入学式の文化がある国でしかあまり使われません。
英語圏の国々では、学期の始まりに特別な式典を開くことは少なく、代わりに「orientation(オリエンテーション)」という行事があります。これは新入生が学校のルールや施設、先生を知るための説明会のようなもので、「freshman orientation」や「new student orientation」と呼ばれます。アメリカやイギリスで「入学式」と言いたいときは、こちらの表現のほうが自然です。
また、大学などで新入生を歓迎する場合は「welcome ceremony」や「welcome event」も使われます。たとえば「The university held a welcome ceremony for new students(大学が新入生歓迎式を開いた)」というふうに言えます。
つまり、「入学式」は英語で一語に訳すよりも、目的や文化に合わせて表現を選ぶのがポイントです。日本特有の行事として紹介するなら「entrance ceremony」、英語圏の行事に寄せるなら「orientation」や「welcome event」。それぞれの文化の違いを感じながら訳すと、言葉がより豊かに伝わります。
