「柿」は英語で「persimmon(パーシモン)」と言います。少し聞き慣れない単語ですが、英語圏でも近年は健康食品として注目されており、秋になると「persimmon」が並ぶスーパーも増えています。
この「persimmon」という言葉は、実は英語由来ではなく、アメリカ先住民の言葉「pasimenan(乾いた果物)」から来たといわれています。つまり、もともと北米にも柿の仲間が自生していたんですね。アメリカ原産の品種は「American persimmon(アメリカガキ)」と呼ばれ、果実は小さめで渋みが強いのが特徴です。
一方で、日本や東アジアで一般的な「富有柿」などの品種は「Japanese persimmon」と呼ばれます。輸出用に育てられることも多く、海外の市場では「kaki(カキ)」という日本語そのままの名前で販売されていることもあります。最近では「Kaki fruit」という表記を見かけることもあり、日本の果物としての存在感が少しずつ広がっているようです。
また、「dried persimmon(干し柿)」という言葉もあります。欧米では珍しい食べ方ですが、その自然な甘さや食感が好まれており、健康志向の人々の間では人気が出つつあります。
英語では柿を説明するとき、「It’s a sweet orange fruit, similar to a tomato but softer when ripe(熟すと柔らかくて甘い、トマトに少し似たオレンジ色の果物)」のように紹介すると伝わりやすいでしょう。
「persimmon」という言葉は、まだ多くの英語話者には新鮮に聞こえるかもしれません。でも、異なる文化の果物としてゆっくりと英語の中にも根を下ろしています。柿そのものが秋の象徴であるように、言葉としても季節や土地の味わいを伝える存在になっているんですね。
