バターはコクやまろやかさを加える食材ですが、英語でも豊かなイメージを広げています。
たとえば「butter someone up」。直訳すると「相手にバターを塗る」ですが、意味は「ご機嫌をとる」「お世辞を言う」。パンにバターを塗るように、相手をやわらかくするイメージから来ています。
また、「look as if butter wouldn’t melt in one’s mouth(口の中でバターが溶けなさそうに見える)」という少し長い表現もあります。これは「とても無邪気そうに見えるけれど、実はしたたかな人」という意味。冷たい顔をしてバターさえ溶かさなそう、という比喩が面白いですね。
「bread and butter」は「生活の糧」や「基本的な収入源」を表します。直訳では「パンとバター」ですが、シンプルで日常的な食べ物だからこそ「生計を支えるもの」というニュアンスが生まれました。
さらに「butterfingers」という言葉もユニークです。直訳すれば「バターの指」。意味は「よく物を落とす人」。指がバターでぬれて滑りやすい様子を想像すると納得できますね。
バターの表現を知ると、英語の比喩がいかに生活の中から生まれているかがわかります。次にトーストにバターを塗るとき、こんなフレーズを思い出してみると、日常の一コマがちょっと英語的に見えてくるかもしれません。