TOEICには、知らないともったいない独自の仕組みや出題傾向があります。採点のルールや試験の性質を正しく理解することで、効率的なスコアアップに繋がるはず。今回は、攻略に役立つ裏側を優しく深掘りします!
誤答を恐れずに「塗りつぶす」べき理由
TOEIC L&Rテストの採点方式には、大きな特徴があります。それは「誤答による減点がない」という点です。
海外の一部の試験や過去の共通テストなどでは、勘で答えて間違えると点数が引かれる「ペナルティ制度」が存在することがありますが、TOEICにはそれがありません。したがって、時間が足りなくて問題が読めない場合でも、空欄のまま提出するのは統計的に損をすることになります。
試験終了直前の数分間で、解けなかった問題のマークシートをすべて同じ記号で塗りつぶす手法は、受験者の間では「塗り絵」と呼ばれています。これだけでも、確率論的に数問は正解を拾える可能性があり、スコアを数点から十数点ほど底上げできる場合があります。
「受験英語」と「TOEIC英語」の決定的な違い
高校や大学入試で英語が得意だった人が、初めてTOEICを受けて意外と苦戦するケースは珍しくありません。これは、求められる語彙の範囲が大きく異なるためです。
大学入試では「光合成」「封建制度」「仮定法過去完了」といった学術的、あるいは複雑な文法知識が問われることが多いのに対し、TOEICではそのような難解な概念はほぼ登場しません。代わりに問われるのは、以下のようなビジネスの実務に直結する単語です。
- reimbursement(払い戻し・精算)
- itinerary(旅程表)
- brochure(パンフレット)
- complimentary(無料の)
これらは日常のオフィスワークでは必須ですが、教科書ではあまり見かけないため、TOEIC専用の語彙対策が必要になります。
写真描写問題(Part 1)に隠された「ひっかけ」の法則
最も易しいとされるPart 1ですが、ここにも特有の罠が仕掛けられています。それは「推測の排除」です。
例えば、写真の中で人がパソコンを操作しているとき、「彼は非常に疲れている」という選択肢が流れても、それは正解になりません。写真から客観的に判断できる事実(例:彼はキーボードを叩いている)だけが正解となります。
また、「音の似た単語」を使ったひっかけも定番です。
| 写真に写っているもの | ひっかけの単語 | 理由 |
|---|---|---|
| Walking(歩いている) | Working(働いている) | 発音が似ているため聞き間違えを誘う |
| Plant(植物) | Plan(計画) | 語頭の音が同じで混乱を誘う |
スコアの「不公平」をなくす調整機能
TOEICの結果が届くまで約1ヶ月かかるのは、単にマークシートを集計しているからではありません。毎回、試験の難易度を一定に保つための「スコアリング」という複雑な工程が行われているからです。
もし今回の試験が前回よりも非常に難しかった場合、単純な正解数だけでスコアを出すと、受験者は運が悪かったことになってしまいます。これを防ぐため、統計学を用いて、どの回の試験を受けても実力が同じなら同じスコアが出るように調整されています。
そのため、「何問正解したら何点」という固定の換算表は存在せず、その回の全受験者のデータをもとに最終的なスコアが決定されます。
