英語で「約束」を表現する際、真っ先に思い浮かぶのは「promise」ですが、実は英語には状況に応じて「約束」を指す言葉がいくつも存在します。これらを正しく使い分けることは、英語圏のコミュニケーションにおいて信頼関係を築く第一歩となります。
まず「promise」という単語の語源ですが、これはラテン語の「pro(前に)」と「mittere(送る)」が組み合わさった「promittere」に由来し、本来は「事前に言葉を放つ」という意味でした。現代でも「promise」は、自分の意思で「必ず〜する」という誓いや、決意を伝える際に使われる、非常に重みのある言葉です。
日本語では、医者の予約も友だちとの遊びも「約束」と言いますが、英語では明確に区別されます。ビジネスや公的な「予約・会う約束」は「appointment」です。一方で、友人と会うようなカジュアルな約束は「plans」を使うのが一般的です。例えば「明日は友達と約束があるんだ」を「I have a promise.」と言うと、ネイティブには「何か重大な誓いを立てているのか?」と少し大げさに響いてしまうことがあります。
また、少し格式高い「約束」として「engagement」があります。これは「婚約」という意味でよく知られていますが、本来は「束縛」や「誓約」を意味し、公式な夕食会や外せない先約などを指す際にも使われます。
「約束」にまつわる面白い文化の一つに、子供たちが指を絡めて行う「pinky swear(指切り)」があります。これは日本の「指切りげんまん」とほぼ同じ習慣ですが、英語圏でも「小指(pinky)」は「誠実さの象徴」とされています。また、大人が使う慣用句には「My word is my bond(私の言葉は私の絆である)」という表現があり、書面を交わさずとも「自分の放った言葉こそが最強の契約である」という強い誠実さを示します。
ビジネスの世界でよく耳にする「under-promise and over-deliver」という格言も興味深いものです。これは「約束(期待値)は控えめにし、成果は期待以上に提供せよ」という意味です。単に約束を守るだけでなく、相手の期待を超えることが信頼獲得の鍵であるという、英語圏のプロフェッショナリズムが凝縮された表現と言えるでしょう。
このように、英語における「約束」は、単なる口約束から法的な拘束力を予感させるものまで、多岐にわたります。それぞれの言葉の背景にある「誠実さのグラデーション」を理解することで、より豊かな人間関係を築けるようになるはずです。
