英語で「高校」といえば「high school」が真っ先に思い浮かびますが、国による呼び方の違いや、なぜ「高い(high)」という言葉が使われるのかなど、その背景には興味深い教育文化の歴史が隠されています。
まず、国による名称の違いに注目してみましょう。アメリカやカナダ、日本などでは「high school」と呼ぶのが一般的ですが、イギリスでは「secondary school」と呼ぶのが主流です。これは、初等教育(primary)に続く「第2段階の教育」という意味に基づいています。また、アメリカの高校は通常4年制(9年生〜12年生)であり、低学年から順に「freshman」「sophomore」「junior」「senior」という特別な愛称で呼ばれるのも特徴的です。
では、なぜ「high school」と呼ぶのでしょうか。その由来は、中世以降のヨーロッパで「高いレベルの学問を教える学校」を指したことにあります。もともとは大学などで行われる「高等教育(higher education)」へと繋がる階段の最終ステップという意味で、教育課程の「高い位置」にあることを示していました。
高校生活を象徴する文化的な言葉といえば、卒業前のダンスパーティー「prom(プロム)」が有名です。これは「promenade(舞踏会)」の略称で、若者が大人の社交界へ足を踏み入れるための予行演習という歴史的な意味を持っていました。現代でも、アメリカの高校生にとってプロムは一生の思い出となる非常に重要なイベントとして位置づけられています。
また、学校にまつわる慣用句で日常的に使われるのが「old school」です。「古い学校」という直訳から転じて、「古き良き」「保守的な」「伝統的な」といった意味で使われます。例えば、最新のデジタル音楽よりもアナログ盤を好む人を「He is very old school.」と表現したりします。元々は出身校の古い校風を指す言葉でしたが、今ではファッションやスタイル、考え方に対して広く使われるポジティブなニュアンスを含んだ言葉になりました。
文法的な注意点として、アメリカ英語では「高校に通っている」と言うとき、冠詞をつけずに「in high school」と言うのが一般的です。これは「school」が単なる建物ではなく、「教育を受ける場所・期間」という抽象的な概念として捉えられているためです。
このように、英語の「高校」という言葉は、単なる教育機関の名称を超えて、大人への階段や伝統への敬意など、社会的な意味合いを強く持っています。普段何気なく使っている単語ですが、その成り立ちを知ることで、英語圏の教育観をより深く理解できるのではないでしょうか。
