デジタル化が進展する現在、「old media(オールドメディア)」という表現が使われる場面が多くなっています。この言葉が指すものや、対比される「new media(ニューメディア)」との違いを知ることで、現代の情報社会の構造が見えてきます。
「old media」は、日本語では「旧来型の媒体」と訳されますが、英語圏では「traditional media(伝統的なメディア)」や「legacy media(レガシーメディア)」と呼ばれることも多いです。具体的には、新聞(newspapers)、雑誌(magazines)、テレビ(television)、ラジオ(radio)の4大媒体を指します。これらは情報の発信者が固定されており、不特定多数の受取人に対して一方通行で情報を届ける「one-way communication(一方通行の伝達)」が最大の特徴です。
メディアの歴史を辿ると、その起源は15世紀のグーテンベルクによる活版印刷の発明にまで遡ります。それまで限られた人しか触れられなかった情報が、新聞という形で大衆に届くようになりました。20世紀に入ると電波を利用したラジオやテレビが登場し、情報の伝達速度は飛躍的に向上しました。これらのオールドメディアは、情報の信頼性を担保する「gatekeeping(ゲートキーピング=門番)」の役割を果たし、社会の世論形成に大きな影響力を持ち続けてきました。
一方、1990年代後半から台頭したのが「new media」です。インターネット上のネットニュース、SNS、ブログ、YouTubeなどがこれに該当します。オールドメディアとニューメディアの最大の違いは「interactivity(双方向性)」にあります。誰もが発信者になれる「two-way communication(双方向のコミュニケーション)」が可能になり、情報のスピードはリアルタイムへと進化しました。また、オールドメディアが「大衆(mass)」を対象にするのに対し、ニューメディアは個人の嗜好に最適化された「パーソナライズ(personalize)」された情報を届けるのが得意です。
「オールドメディア」と「ニューメディア」はしばしば対比されがちですが、実は完全に相反するものではなく、むしろ互いに補完し合う関係にあるとも言えます。速報性や拡散力ではニューメディアが勝りますが、情報の正確さや分析力においては、今なおオールドメディアが重要な役割を果たしているからです。
英語のニュースや記事を読む際でも、情報源が伝統的なオールドメディアなのか、あるいはデジタル発のニューメディアなのかを意識することは、世界を多角的に捉えるための一つの視点になるのではないでしょうか。
