英文の終わりに打つ「.」。日本語の「。」にあたる最も基本的な句読点ですが、英語では「period」以外にも呼び名があったり、SNS時代ならではの新しいニュアンスが生まれていたりと、実は奥が深い記号です。
まず面白いのが、国による呼び方の違いです。アメリカ英語では「period」と呼ぶのが一般的ですが、イギリス英語では「full stop(フルストップ)」と呼ぶのが主流です。「完全に止まる」という直訳の通り、文章がここで完結することを強く意識した表現です。ちなみに「period」の語源はギリシャ語の「periodos(周期、回路)」で、一つのサイクルが一周して戻ってくることを意味していました。
日常会話では、記号の枠を超えて、強い強調として使われることがあります。例えば「I’m not going, period.(行かないと言ったら行かない。以上!)」のように、文末に「period」と付け加えることで、「これ以上議論の余地はない」「話はおしまいだ」という断固とした拒絶や決意を表現します。日本語でいうところの「(以上、)まる!」というニュアンスに近いかもしれません。
また、デジタルの世界では呼び名がさらに変化します。メールアドレスやウェブサイトのURLに使われる「.」は「dot(ドット)」、算数や数学の小数点は「point(ポイント)」と呼ばれます。同じ記号でも、役割によって「period」「full stop」「dot」「point」と4種類の名前を使い分けているのは、面白いですね。
最近では、SNSやチャット特有の「ピリオドの心理学」も注目されています。短いメッセージの最後にピリオドを打つと、受け手には「冷淡」「怒っている」「拒絶している」といったネガティブな印象を与えることがあるという研究結果があるそうです。若者の間では、あえてピリオドを打たないことで「まだ会話が続いている」という親密さを演出する文化が定着しつつあります。これは日本語の句点と同じかもしれません。
文法的なルールとしては、省略記号としての役割も重要です。「Mr.」や「etc.」など、単語を短縮した際にピリオドを打ちます。面白いことに、文章の最後が省略記号で終わる場合(例:…at 9 p.m.)、ピリオドを2つ重ねることはせず、1つで済ませるのがルールです。
このように、小さな一つの点である「ピリオド」には、歴史的な背景から現代のコミュニケーションの機微まで、多くの情報が詰まっています。次に英文を書くとき、この「点」が持つ重みを少し意識してみると、英語の表現がより豊かに感じられるかもしれません。
