スポーツニュースなどでよく耳にする「連覇」。英語では日本語のように一語で「連覇」を表す名詞は一般的ではなく、いくつかの単語を組み合わせたり、ユニークな造語を使ったりして表現します。そこにはスポーツ大国アメリカならではの文化や歴史が反映されています。
最も日常的によく使われる表現は「back-to-back」です。直訳すると「背中合わせの」となりますが、ここから「連続した」「次々と」という意味で使われます。「back-to-back championships(2連覇)」のように、主に「2回連続」を指す際によく登場しますが、単に「連続」という意味でも使われます。背中と背中がくっついているほど隙間なく続いている、というイメージを持つと覚えやすいでしょう。
では、3連覇はどうでしょうか。ここで登場するのが「three-peat(スリーピート)」という有名な造語です。これは数字の「Three」と、繰り返すという意味の「Repeat」を掛け合わせた言葉です。実はこの言葉、1980年代後半にNBA(米プロバスケットボール)のレイカーズの選手が使い始め、その後、名将パット・ライリー監督がなんと「商標登録」までしてしまったという逸話があります。そのため、スポーツ界では3連覇を指す特別な響きを持つ言葉として定着しています。
もっとフォーマルに、あるいは回数に関わらず「連続」を表現したい場合は、「consecutive」や「in a row」が使われます。「won three consecutive titles(3期連続でタイトルを獲得した)」や「five wins in a row(5連勝)」といった形です。「straight」を使って「five straight wins」と言うこともあり、こちらは「真っ直ぐに=途切れずに」というニュアンスが強調されます。
さらに、連覇が続き、長期間にわたって圧倒的な強さを誇るチームや選手に対しては、「dynasty」という言葉が贈られます。もともとは歴史用語で「王朝」を意味する言葉ですが、スポーツの世界では「黄金時代」を築いたチームへの最大級の賛辞として使われます。
文法的な使い方としては、これらは主に形容詞や副詞として機能するため、「彼らは連覇を狙っている」と言いたい場合は、「aiming for back-to-back titles」や「looking to repeat」のように動詞を補って表現するのが一般的です。
このように、英語の「連覇」にまつわる表現は、単なる回数のカウントだけでなく、「背中合わせ」という視覚的なイメージや、スポーツビジネスが生んだ造語など、豊かな背景を持っています。スポーツ観戦の際、実況がどの言葉を使っているか耳を澄ませてみるのも面白いかもしれません。
