今回のフレーズは「Don’t cry over spilled milk」です。
「Don’t cry over spilled milk」は、直訳すると「こぼしたミルクを嘆くな」となりますが、実際には「過ぎたことを悔やんでも仕方がない」という意味になります。日本語では、「覆水盆に返らず」とも意訳されています。
このフレーズは、過去の失敗を後悔しても意味がないことを表現するために使われます。また、過去にこだわらず、前に進むよう励ます際にも用いられます。
例えば、過去の失敗にこだわって前に進まない人に対して、「Stop crying over spilled milk and focus on finding a solution.(過ぎたことを悔やんでも仕方がないから、解決策を見つけることに集中しよう)」と言うことができます。また、ビジネスの決断が裏目に出たときに、「The deal fell through, but there’s no use crying over spilled milk. Let’s focus on the next opportunity.(取引がダメになったけど、過ぎたことを嘆いても仕方がない。次の機会に集中しよう)」と言うこともできます。ほかにも、試験に失敗した友達に、「Don’t cry over spilled milk. Just study harder for the next one.(過ぎたことを悔やんでも仕方がないよ。次の試験に向けてもっと勉強しよう)」と言うこともできます。
「Don’t cry over spilled milk」の由来は諸説ありますが、こぼれたミルクは元に戻らないため嘆いても意味がない、という教訓に由来しています。この慣用句の初出は、イギリスの作家であるジェームズ・ハウエル(James Howell)が1659年の著書『Paramoigraphy』に記述した「No weeping for shed Milk」とされています。「shed」は「spilled」を意味していました。その後、「shed milk」から「spilt/spilled milk」へと変化し、「don’t cry over spilled milk」の表現が一般的になりました。
まとめると、「Don’t cry over spilled milk」は、文字通り「こぼしたミルクを嘆くな」という意味ではなく、過去の失敗や後悔に対してくよくよしないようにという教訓を表します。このフレーズを使うことで、前向きな態度を促し、過去に縛られずに未来に目を向けることを表現できます。
この「Don’t cry over spilled milk」を使って、過去の失敗を乗り越え、前向きに行動する場面で活用してみてください。
実際の発音もチェックしてみてください
こぼしたミルクを嘆くな。過ぎたことを悔やんでも仕方がない。覆水盆に返らず。
このシリーズでは、さまざまなことわざ・格言・慣用句・イディオムなどを紹介して解説しています。