今回のフレーズは「Never give a sucker an even break」です。
直訳すると「まぬけに公平なチャンスを与えるな」となりますが、実際には「だまされやすい人に同情してはならない」「弱者に情けをかけるな」「弱みを見せるな」という意味になります。
このフレーズは、ビジネスなどの競争の激しい場面で、弱者に対して特別な配慮をすべきではないという警告として使われます。
例えば、取引相手の甘さを見逃さないようにするために「In business, you should never give a sucker an even break.(ビジネスでは、相手の甘さにつけ込まないといけない)」と言うことができます。また、競争の激しい業界で勝ち抜くために「To stay on top, remember: never give a sucker an even break.(トップに立ち続けるためには、弱者に情けをかけないこと)」と言うこともできます。
「Never give a sucker an even break」の由来は、1920~1930年代にかけてアメリカで活躍したコメディアン、W・C・フィールズ(W.C. Fields)が使ったセリフから広まったとされています。フィールズは、自身の映画や舞台でこの表現をユーモラスに使い、人々の記憶に残るフレーズとして定着させました。「sucker」は「吸う人/乳飲み子」という意味ですが、ここでは「簡単に騙される人」や「愚か者」という意味になります。この言葉は、騙されやすい人からできるだけお金を巻き上げるべきだという意味で使われ、特に詐欺師の間で人気のモットーとなったそうです。
まとめると、「Never give a sucker an even break」は、文字通り「まぬけに公平なチャンスを与えるな」という意味ではなく、相手の弱点につけ込んで優位に立つことを指します。このフレーズを使うことで、競争の激しい状況での強さや冷徹さを表現することができます。
この「Never give a sucker an even break」を使って、ビジネスや競争の場面での戦略を考えてみてください。
実際の発音もチェックしてみてください
まぬけに公平なチャンスを与えるな。
このシリーズでは、さまざまなことわざ・格言・慣用句・イディオムなどを紹介して解説しています。