日本語の「しょうがない」は、とても便利で感情の幅が広い言葉です。あきらめ、慰め、同意、少しの怒り。いろんな気持ちを一言で包みこめます。英語にするときは、その場のニュアンスによって言い方が変わります。
まず、いちばんよく使われるのは「It can’t be helped.(どうにもならない)」です。直訳に近い表現で、状況を受け入れるときに使います。たとえば「It’s raining again…」「Well, it can’t be helped.(また雨か…まあしょうがないね)」という感じです。少し冷静で落ち着いた響きがあります。
もっと自然な日常表現だと「Oh well.」や「That’s life.(それが人生さ)」もよく使われます。どちらも軽いあきらめを表し、肩の力を抜いた言い方です。友達との会話なら「We missed the bus.」「Oh well, let’s walk.(バス逃したね。まあいいか、歩こう)」のようにぴったりです。
もし少し悔しさや残念さを込めたいなら、「There’s nothing we can do.(どうしようもないね)」という言い方もあります。こちらは感情が少し強く、状況に対する無力感を表します。
興味深いのは、「しょうがない」に直接対応する英語の単語がないことです。だからこそ、英語ではその時々の気持ちをもう少し具体的に言い分ける必要があります。
つまり、「It can’t be helped」「Oh well」「That’s life」「There’s nothing we can do」などを使い分けることで、日本語の「しょうがない」が持つ幅広い感情を英語でも伝えられるわけです。どの表現を選ぶかで、その人の性格や気持ちの温度まで伝わる。そんなところに、言葉の面白さがありますね。
