日本語の「大臣」は、国の行政を担当する重要な役職を指します。英語では一般的に「minister(ミニスター)」と訳されます。「Minister of Education(教育大臣)」や「Foreign Minister(外務大臣)」のように、担当する分野を後ろにつけて使います。
ただし、国によって呼び方には少し違いがあります。イギリスやカナダ、オーストラリアなどでは「minister」という表現が普通ですが、アメリカでは「Secretary(セクレタリー)」を使うのが一般的です。たとえば「Secretary of State」は「国務長官(外務大臣に相当)」、「Secretary of Defense」は「国防長官」となります。つまり、役割は似ていても、国の制度に合わせて呼び方が変わるんですね。
また、「首相」や「内閣」も英語で表現するときには注意が必要です。「Prime Minister(首相)」や「Cabinet Minister(閣僚)」といった言い方があります。「Cabinet」は「内閣」という意味で、「the Cabinet meeting(閣議)」のように使われます。
面白いのは、「minister」という単語そのものがもともと「奉仕する人」という意味を持っていることです。語源はラテン語の「minus(小さい)」で、「servant(仕える人)」に近い感覚です。つまり「minister」は「国民に仕える人」という考え方が根底にあるわけです。
この語源を考えると、「大臣」という言葉に込められた意味が少し違って見えてきます。英語では権力者というより、「責任を持って人々に奉仕する人」という響きが強いんですね。
