「津波」は英語でもそのまま「tsunami」と言います。これは日本語がそのまま国際的に定着した言葉のひとつです。地震学や防災の分野ではもちろん、一般的な英語ニュースや映画の中でも「tsunami」という言葉が自然に使われています。
実は、もともと英語にも「tidal wave(タイダル・ウェーブ)」という表現がありました。直訳すると「潮の波」ですが、津波とは厳密には違います。津波は地震や海底火山の活動によって起きるもので、潮の満ち引きとは関係がありません。そのため、現在では科学的にも正確な「tsunami」が正式な言葉として使われるようになりました。
たとえば、「A tsunami warning has been issued(津波警報が発令された)」や「The tsunami caused severe damage(津波が甚大な被害をもたらした)」のように使われます。災害報道ではほとんどがこの形です。
また、比喩的に「突然押し寄せる大きな変化」を表すときにも「tsunami」という言葉が使われることがあります。「a tsunami of information(情報の津波)」「a tsunami of emotions(感情の津波)」など、強い勢いで何かが一気に広がるイメージを伝える表現です。
日本語の「津波」がそのまま英語に取り入れられた背景には、自然災害を通じて世界が学んだ経験があります。「tsunami」という言葉を聞くとき、多くの人がただの波ではなく、その破壊力や自然の怖さ、そして防災の大切さを思い浮かべます。
英語の中で生きている「tsunami」という言葉には、日本発の言葉としての重みと、世界共通の教訓が込められているのかもしれませんね。
