イタリア語の「コラッジョ(勇気)」の語源や同根語など

カエサル

サッカー日本代表では、イタリア語の「コラッジョ(勇気)」が試合前のかけ言葉になっているそうです。イタリアのセリエAに在籍していた長友佑都選手が使い始めた言葉だそうです。イタリア語のcoraggio(コラッジョ, コラージョ)は、「勇気」や「度胸」を意味する単語で、英語のcourage(勇気)やスペイン語のcoraje(怒り、勇気)と同じ語源を持つ同根語(cognate)です。多言語学習者には馴染み深く、使用頻度も高い単語なので、今回はcoraggioの語源や、その他の言語(主にロマンス諸語)との関わりについて見ていきたいと思います。

イタリア語のcoraggioの語源を辿ると、親言語であるラテン語のcoraticum(心、勇気)に由来しています。イタリア語には、ラテン語ではなく古フランス語のcorageから伝わりました。現代フランス語で「勇気」はcourageと言いますが、これは英語のcourageと同じスペリングです。英語やその他のロマンス諸語にも、古フランス語を経由して伝わったからです。

他の言語でcoraggio(勇気)は何と言うのかをまとめてみました。

「勇気」を意味する単語

羅語: coraticum/コラティクム
仏語: courage/クラージュ
英語: courage/カレッジ
伊語: coraggio/コラッジョ
西語: coraje/コラヘ
葡語: coragem/コラージェン

羅語はラテン語、仏語はフランス語、伊語はイタリア語、西語はスペイン語、葡語はポルトガル語です。

発音は異なりますが、どの言語も大体同じ形ですね。多くの言語では「勇気、度胸」という意味ですが、スペイン語のcorajeは「怒り」という意味もあります。同根語は覚えやすいので多言語学習には最適ですが、違う意味を持っていることもあるので、意味の違い(空似言葉)には注意が必要ですね。ちなみに英語のcourageも、中英語(1150~1500年)では、「心」や「怒り」など様々な感情や気持ちに関する言葉として使われていました。

それぞれの単語を分解してみると、ラテン語のcoraticumの場合、corは「心、心臓」、-aticumは「場所」のことで、直訳すると「心のある場所」という意味になります。英語のcourageもラテン語と同じ構造で、cour(心臓)+ age(場所)になります。

ラテン語の-aticumは、英語の-age、イタリア語の-aggio、フランス語の-age、スペイン語の-aje、ポルトガル語の-agemにあたる接尾辞で、名詞を作る役割があります。例えば勇気以外にも、「通過、通行」を意味する英語のpassage、イタリア語のpassaggio、フランス語のpassage、スペイン語のpasaje、ポルトガル語のpassagemなどで使われています。

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ラテン語のcorは、子孫のロマンス諸語にも「心、心臓」という意味で引き継がれています。

「心」を意味する単語

羅語: cor/コル
仏語: cœur/クール
伊語: cuore/クオーレ
西語: corazón/コラソン
葡語: coração/コラソン

スペイン語とポルトガル語は同じ発音なので特に覚えやすいですね。コラソンといえば、漫画ワンピースに同名のキャラクターがいますね。単語の意味通り、心臓やハートに関わりがある人物のようです。

ラテン語のcor(心)は、coraggio以外にも、たくさんの単語の基になっています。例えば、英語のcore(芯)、accord(一致する)、concord(一致)などもラテン語のcorに由来しています。concordは、接頭辞のcon-(一緒)とcord(心)から構成されている単語で、「2人の心が一緒」という意味から転じて、「一致」という意味になっています。イタリア語のaccordare(和解させる、一致する)やconcordia(一致)などと同根語です。

欧米言語には似ている同根語がたくさんあるので、多言語学習がはかどりますね。cor(心)に由来する単語は、また別の機会があれば紹介したいと思います。

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