今や世界共通語となった「Anime」。しかし、英語圏におけるこの言葉の扱いや、一般的な「アニメーション」との違いに注目すると、日本のアニメが世界でどのように受容されてきたのかという興味深い歴史が見えてきます。
英語で「Anime」と言う場合、それは単なる「アニメーション(動画作品)」全般を指すのではなく、「日本製の、あるいは日本のアニメ特有のスタイルを持つ作品」を限定して指すのが一般的です。一方で、ディズニー作品や子供向けの短編アニメなどは「cartoon」と呼ばれ、ファンの間では明確に区別されています。かつては日本のアニメも「Japanimation(ジャパニメーション)」と呼ばれた時期がありましたが、現在では「Anime」という呼称が完全に定着しています。
この「Anime」という言葉の語源には諸説あります。最も有力なのは、英語の「animation」が日本で短縮され、それが再び英語圏へ逆輸入されたという説です。さらに「魂」を意味するラテン語の「anima(アニマ)」に由来しています。
アニメ文化が広まるにつれ、日本語がそのまま英語の語彙として定着した例も少なくありません。例えば、憧れの先輩や年長者を指す「Senpai(先輩)」や、可愛いものを指す「Kawaii」などは、海外のアニメファンの間では説明不要の共通言語となっています。また、特定のキャラクターに対する強い愛着を表す「Waifu(ワイフ:嫁)」といった、アニメコミュニティ独特の英語表現まで生まれています。
海外のアニメファンの間で永遠の議論となるのが、「Sub vs Dub(字幕派か吹き替え派か)」というトピックです。「Sub(subtitles)」は日本語音声に英語字幕で楽しむ派、「Dub(dubbing)」は英語の声を当て直した吹き替え派を指します。オリジナルのニュアンスを重視する層が増えたことで、最近では「Sub」で視聴することがステータスの一つとされる傾向もあります。
文法的な特徴としては、「Anime」は数えられない名詞(不可算名詞)として扱われることが多く、複数の作品を指す場合でも「animes」ではなく「anime」のまま、あるいは「anime series」のように表現されるのが一般的です。
このように、英語における「Anime」は、単なるエンターテインメントのジャンルを超え、独自の言語文化やコミュニティを形成する大きな力を持っています。普段私たちが何気なく使っている言葉が、海を越えてどのように解釈され、愛されているかを知ることで、作品の見え方も少し変わってくるかもしれませんね。
