秋の深まりを感じる「10月」。英語ではご存知の通り「October」と言いますが、この単語の成り立ちを紐解くと、古代ローマの暦の仕組みや、英語という言語の歴史的な矛盾が見えてきます。
「10月」なのに、なぜ「October」には数字の「8」を意味する言葉が含まれているのでしょうか。実は「octo-」はラテン語で「8」を意味する接頭辞です。例えば、タコは「octopus(8本の足)」、八角形は「octagon」と言いますよね。ではなぜ10月なのかというと、古代ローマの初期の暦(ロムルス暦)が現在の3月(March)を1年の始まりとしていたからです。3月から数えて8番目の月だったため、「October」と名付けられました。その後、紀元前に1月と2月が先頭に追加されて暦が2ヶ月後ろにずれたにもかかわらず、名前だけが変更されずに現代まで残ってしまったのです。
10月の英語圏の文化といえば、やはり31日の「Halloween(ハロウィン)」です。もともとは古代ケルト人の収穫祭や悪霊祓いの儀式が起源ですが、現代では「Trick or treat!(お菓子をくれないといたずらするぞ!)」という言葉とともに、子供たちが仮装して楽しむ一大イベントとして定着しています。
また、10月特有のユニークな用語に「October surprise(オクトーバー・サプライズ)」があります。これはアメリカの政治用語で、11月の大統領選挙の直前である10月に、選挙戦の行方を大きく左右するような予期せぬ出来事やスキャンダルが発覚する現象を指します。現代のニュースなどでも頻繁に耳にする、この時期ならではの表現です。
文法的な注意点としては、月を表現する際の前置詞の使い分けがあります。「10月に」と月全体を指す場合は、期間の広がりを表す「in」を使い、「in October」となります。しかし、「10月31日に」と特定の日付を指す場合は、特定の日に「接触」しているイメージから「on」を使い、「on October 31st」と変化します。
このように、「October」という一つの単語には、古代ローマから続く時間のズレという歴史のミステリーが隠されています。タコの「octopus」と同じ語源の仲間だと知るだけでも、カレンダーを見るのが少し楽しくなるのではないでしょうか。
