今回のフレーズは「A rising tide lifts all boats」です。
「A rising tide lifts all boats」は、直訳すると「上げ潮はすべての船を持ち上げる」となりますが、実際には「全体の状況が良くなると、個々の状況も良くなる」という意味になります。
このフレーズは、経済や社会の改善が全体だけでなく個人にも良い影響を与えることを表現しています。
例えば、経済が回復し始めたときに、「The improving economy is beneficial for everyone, as a rising tide lifts all boats.(景気回復は皆にとって良いことだ、上げ潮がすべての船を持ち上げるようにね)」と言うことができます。また、ある産業に関連して他の企業も好況になる場合に、「When the tech industry thrives, a rising tide lifts all boats including small businesses in the area.(テクノロジー産業が繁栄すると、その地域の小規模企業を含むすべてが繁栄する)」と言うこともできます。
「A rising tide lifts all boats」というフレーズは、米国のジョン・F・ケネディ元大統領が使用したことで広く認識されるようになりました。彼はこのフレーズをスピーチで度々使用し、経済全体の成長が全ての人々に恩恵をもたらすという考えを示しました。ただ、考案者はケネディや彼のスピーチライターではなく、もっと古い起源を持つようです。いずれにせよ、ケネディがこのフレーズを普及させ、経済学やビジネスの分野で広く用いられるようになりました。
まとめると、「A rising tide lifts all boats」は、文字通り「上げ潮はすべての船を持ち上げる」という意味ではなく、全体の成長や改善が個々に良い影響を与えることを指します。全体の利益が拡大する「プラスサム」と同じような考えです。このフレーズを使うことで、全体の状況が良くなると皆が恩恵を受けることを表現することができます。
この「A rising tide lifts all boats」を使って、全体の改善や成長が個々に影響を与える場面で活用してみてください。
実際の発音もチェックしてみてください
上げ潮はすべての船を持ち上げる。全体の状況が良くなると、個々の状況も良くなる。
このシリーズでは、さまざまなことわざ・格言・慣用句・イディオムなどを紹介して解説しています。