今回のフレーズは「Give someone the benefit of the doubt」です。
「Give someone the benefit of the doubt」は、直訳すると「疑いの利益を与える」となりますが、実際には「疑わしくても相手を信じる」「大目に見る」という意味になります。
このフレーズは、相手に対して何か疑念を持っていたとしても、信じてあげることを表現する際に使われます。
例えば、誰かが遅刻した理由が完全に納得できないとしても「I’ll give her the benefit of the doubt and believe she was stuck in traffic.(彼女が渋滞に巻き込まれたということを信じることにする)」というように使います。また、友人が約束を破ったときに、「He has never lied to me before, so I’ll give him the benefit of the doubt this time.(彼は今まで嘘をついたことがないので、今回は彼を信じることにする)」という風にも使うことができます。ほかにも、同僚がミスをしたときに、「She usually does her job well, so I’ll give her the benefit of the doubt this time.(彼女は普段仕事ができる人だから、今回は信じてあげることにする)」と言うこともできます。
「benefit of the doubt」というフレーズは、17世紀頃のイギリスの法律に起源を持ち、被告が有罪であることに合理的な疑いがある場合、たとえ証拠が強くても無罪とすべきだという原則に基づいています。つまり、証拠が不十分な場合は被告に有利な判断を下すという点で、ローマ法の古い原則である「疑わしきは罰せず(In dubio pro reo)」と似ています。法律の文脈で生まれたフレーズですが、次第に日常生活でも広く使用されるようになりました。
まとめると、「Give someone the benefit of the doubt」は、文字通り「疑いの利益を与える」という意味ではなく、証拠が不十分な場合に相手を信じることを指します。このフレーズを使うことで、他人に対して寛容であることを表現することができます。
この「Give someone the benefit of the doubt」を使って、相手を信じたい場面で活用してみてください。
実際の発音もチェックしてみてください
疑いの利益を与える。疑わしくても相手を信じる。大目に見る。
このシリーズでは、さまざまなことわざ・格言・慣用句・イディオムなどを紹介して解説しています。