子供の成長は早く、次々とサイズが変わる「子供服」。英語では一般的に「children’s clothing」や「kidswear」と表現しますが、特定のアイテム名や成長にまつわる表現を紐解くと、英語圏の育児文化や子供への温かいまなざしが見えてきます。
乳幼児の服は、動きやすさや形状によってユニークな名前が付けられています。例えば、上下が繋がった遊び着は「romper(ロンパース)」と呼ばれますが、これは「跳ね回って遊ぶ、おてんばに騒ぐ」を意味する動詞「romp」が語源です。元気いっぱいに動き回る子供の姿が目に浮かぶようなネーミングですね。また、股の下でスナップを留める肌着は「onesie(ワンジー)」とよく呼ばれます。実はこれ、アメリカのベビー用品メーカーであるガーバー(Gerber)社の登録商標なのですが、あまりにも普及したため、バンドエイドやホッチキスのように、今では一般名詞として日常的に使われています。
子供服に欠かせないのが「お下がり」の文化です。兄弟や親戚から譲り受けた服は、英語で「hand-me-downs」と表現されます。「私(me)のところへ下(down)に手渡す(hand)」という言葉の成り立ち通り、上の子から下の子へと服が受け継がれていく様子がそのまま単語になっています。また、子供が成長して服が小さくなり着られなくなることは「grow out of ~」と言います。「服のサイズという枠から成長して外へはみ出す」というニュアンスがあり、単に「サイズが合わない」という事実だけでなく、成長の喜びを感じさせる表現です。
子供の服装にまつわる歴史的な慣用句もあります。イギリス英語には「in short trousers」という表現があり、直訳すると「半ズボンを履いて」となりますが、日常会話では「まだほんの子供だった頃に」という意味で使われます。かつての西洋社会では、男の子は幼い頃は半ズボンを履き、ある程度の年齢に達して一人前と認められると長ズボンを履くという習慣があったことに由来しています。
文法的な注意点として、英語の「服(clothes)」は常に複数形扱いになるというルールがあります。「a clothes」とは言えません。また、子供服に多いズボンやオーバーオールなど、脚を通す部分が2つあるものは「a pair of pants」や「a pair of overalls」のように数えます。
このように、英語における「子供服」の表現には、単なるアパレル用語の枠を超えて、元気に遊び回る姿や、服を譲り合いながら成長を見守る家族の温かな歴史が詰まっています。次に子供服を手に取る機会があれば、こうした言葉の背景を思い出してみてはいかがでしょうか。
