英語を勉強していると、「queen」「quick」「question」など、「Q」のあとに必ずといっていいほど「U」が登場することに気づきますよね。「どうしていつもペアなの?」と疑問に思ったことはありませんか。
このルールの背景には、ラテン語とフランス語の歴史があります。ラテン語では、子音の「Q」は必ず母音の「U」と組み合わせて「qu」と書きました。これは唇を丸めながら発音する音を表していたんです。その伝統がフランス語に引き継がれ、さらに英語にも持ち込まれました。
中世のイングランドでは、1066年のノルマン征服をきっかけにフランス語が支配層の言語として広く使われました。そのとき「Q+U」の綴りも一緒に輸入され、英語に定着していったというわけです。
もちろん例外もあります。たとえば「Iraq」や「Qatar」などの地名は、アラビア語由来なので「Q」のあとに「U」が来ません。こうした単語は英語の伝統ルールとは別に、そのまま外来語として受け入れられました。
つまり「Q」と「U」のコンビは、偶然ではなく「ラテン語 → フランス語 → 英語」という歴史のリレーの結果なんですね。
次に「queen」や「quick」を見るときは、そこに隠れた長い言語の旅路を思い出してみると、ちょっと面白く感じられるかもしれません。