なぜ英語には「前置詞」がこんなに多いのか?

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英語を学んでいると、「in」「on」「at」「by」など、似たような前置詞の使い分けに頭を悩ませることが多いですよね。日本語なら「机の上」「駅で」「バスに」など、助詞を使えばシンプルに表現できます。では、なぜ英語はこんなに前置詞を細かく使うのでしょうか。

ひとつの理由は、英語が語順に強く依存する言語だからです。日本語は「駅で待つ」でも「待つ、駅で」でも意味が通じますが、英語は「Wait at the station」の語順を崩して「At the station wait」とすると、意味が分かりにくくなります。そこで、前置詞を使って「場所」「時間」「手段」といった情報を明確に補う必要があります。

また、古英語の名残も影響しています。昔の英語は名詞に「格変化」があり、語尾の形で「場所」「方向」「手段」を区別できました。しかし時代が下るにつれて格変化は失われ、その代わりに前置詞が活躍するようになったのです。つまり、今の前置詞は「かつての文法の役割を肩代わりしている存在」とも言えます。

さらに、前置詞は単独ではなく「句動詞」として動詞と組み合わせることも多いですよね。「give up」「look after」「run into」など、前置詞ひとつで動詞の意味ががらりと変わります。これは英語の語彙を豊かにする仕組みのひとつでもあります。

前置詞の多さは最初は少しややこしく感じるかもしれません。しかし、見方を変えれば「シンプルな単語を組み合わせて、細やかな意味を作る工夫」と考えることもできます。迷ったときは、「この前置詞は場所を示しているのか、それとも方向を示しているのか」とイメージで捉えると、理解しやすくなるかもしれません。ね。

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